2014年3月1日

大雪のあとで・・・

「トヨだけじゃなくて裏の門扉も壊れちゃったよ」

遅くに帰宅すると 恨めしそうにカミさんが呟いた

「おいおいマジかよ…こりゃ完全に雪害だな」

「もう~ ホント勘弁してもらいたいわ」

「でも こんなもんで済めばいい方だよ
 車や物置が潰れちゃったお宅もあるからな」

「そうだね それにしてもおそるべし豪雪」



二週続けて関東甲信地方を別世界にした記録的な大雪、しかも狙ったように週末に降り続き、私たちの日常生活のみならず、流通、物販、飲食、観光、レジャー産業など、客商売を主体としたビジネスの世界にも甚大な被害をもたらしました。

当地松本でも、第二土曜日の8日に約50cmの積雪に見舞われたと思ったら、その雪がまだ残る翌第三金曜日の14日から土曜日15日にかけて再び猛烈な雪が降り続き、前週の残雪と合わせて今度は松本市の中心市街地で75cmという呆れるほどの積雪を記録しました。報道によると今から68年前の昭和21年に記録した78cmに次ぐ観測史上二番目の積雪だったそうです。


雪が止んだ翌16日以降も、長野県内の交通網は完全に寸断状態となり、高速道路は県の南北一部を除いて除雪のために終日通行止め、鉄道は「あずさ」や「しなの」など、都心への足が数日間に亘って全て運休という非常事態が続きました。

更に市内では、行政主導の除雪作業が一向に進まず、商店街や住宅街では市民のかいた雪を捨てる場所がなくなり、路肩や歩道の脇にはあちこちに雪の壁が出没し、道路の車線を狭くして至るところで大渋滞が起こりました。


一方で、そんな記録的な大雪によって、家屋や自動車、農業用のビニールハウスなどが損壊するという情報が、フェースブックなど身近なところで連日アップされました。


かく言う我が家も屋根に積もった雪が凍結して氷塊となり、その重みで雪止めが崩壊
トヨはへし曲がり砕けて落ち、さらに落下した氷塊の一部が門扉に直撃して開閉できないほどに毀損してしまいました。


本当に雪害、雪災というべき損害を受けた方々が相当数いらっしゃったのではないでしょうか。この場を借りて被害に遭われた皆々様に心よりお見舞い申し上げます。


そんな自然災害が原因で、生活に通常必要な財産に損害を受けた場合、所得税を軽減、免除する救済措置があることをご存知でしょうか。

一つは「雑損控除」といって、次の①か②のいずれか多い金額をその年の所得金額から控除することができます。
① 損害を受けた資産の損害額-所得金額の10%
② 災害関連支出(滅失した資産を取壊したり除去するための費用)-5万円

所得の10%を超える金額ですから、例えば我が家のようにトヨや門扉の損壊くらいでは対象にはなりませんが、家屋の一部が倒壊したような場合は検討すべきです。
なお、農業用のビニールハウスなど事業用資産の損害は、事業所得の必要経費として控除しますので、この雑損控除の対象とはなりません。


もう一つは「災害減免法」といって、あの東日本大震災の時にも多くの方が対象となった、比較的大きな災害の場合の救済措置です。これは住宅と家財に限りますが、災害によって住宅や家財の価額の2分の1以上の損害が認められる場合、その人の所得に応じて次のように所得税が免除、軽減されます。
(所得金額1千万円超の人は対象外です)

① その年の所得金額が500万円以下の人= 全額免除
② 500万円超 750万円以下の人= 2分の1の軽減
③ 750万円超 1千万円以下の人= 4分の1の軽減


なお、ともに火災保険などで補填された金額があれば、それを控除した純損害額が対象となります。また、被害に遭った金額を証明する書類等を添付して確定申告する必要がありますので、今回の雪で被害を受けられた方々は来年の確定申告で適用することになります。

他にも細かい要件がありますので、対象になるかもしれないと思われる方はお気軽にご相談下さい。



「ねえねえ ウチも税金とか安くならないの?」

「ああ 壊れた資産の壊れたときの価値が損害額だから何十年も使った門扉やトヨじゃこの場合の損害にはならん」

「え~~ じゃ自腹で直すの~?」

「火災保険が利くと思うけど免責20万だったかな? 
確認してみる… てか自腹ってオレの金でしょ」

「私のお金は私のお金 貴方のお金も私のお金」

「あのね 盗難、横領も雑損控除の対象なんだよ」

「あら・・・」